複雑な法律の手続きを依頼者にかわっておこなう身近な町の法律専門家
司法書士
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 依頼者にかわって、法律上の書類を作成したり、手続きをおこなうのが司法書士の仕事です。
 たとえば、土地を買ったり、家を建てたりすると、かならず登記(役所の帳簿に書いてのせること)が必要となります。この土地はどういう広さのもので、だれの持ち主であるといったことを法律的にはっきりさせておくためです。これを正確にしておかないと、あとでトラブルのもとになります。しかし、重要なことだけに、手続きも複雑ですし、法律的な知識も必要になります。そこで、この複雑な手続きを、専門知識のない私たち一般市民にかわっておこなうのが司法書士なのです。
 不動産の登記にはこのほか、所有権・地上権・担保権の設定や抹消、内容の変更、回復、仮登記などいろいろなものがあり、それぞれに必要な書類もちがいます。
 このほか、新会社を設立すれば、設立の登記をしなければならないし、供託(一方的な家賃の値上げから家主と話がこじれたばあい、借り主が家賃を一時的に公的機関にあずかってもらうなどの制度)の手続きをとったり、裁判所や検察庁、法務局などに提出する必要書類も作成します(弁護士とちがって法廷活動はしません)。

仕事の環境
●司法書士のほとんどは、個人で事務所を開業しています。●開業場所は、登記所や金融機関の近くが多い。また、オフィス街でも多くの事務所が開業しています。●土地家屋調査士や行政書士の資格をとれば、仕事の範囲が広がるので、このふたつの資格をあわせて取る人も多くいます。

司法書士になるには

これまで・今後
 現在全国に約1万7000人の司法書士がいます。男性がほとんどで、女性はまだ7パーセントほどですが、今後は女性の司法書士が増える傾向にあります。  司法書士の仕事で多いのは、不動産登記と商業登記ですが、これらの登記業務は今後とも増加が考えられます。さらに人々の権利意識の高まりや、社会の複雑化にともなうトラブルの増加で、民事事件や家事審判も増えていくと予想され、裁判所や検察庁などに提出する告訴状や調停などの書類の作成や、法律相談も重要になってくるでしょう。

先輩からのアドバイス
 依頼者の話をよく聞き、綿密な確認の上に、細かい規則にのっとった正確な手続きを本人にかわっておこなうのが司法書士のつとめです。不動産登記から法的トラブルまで身近な法律の専門家としての司法書士の仕事は重要です。まずは町の人たちから大きな信頼を得ることがたいせつです。(司法書士・藤田和夫)

こんな人が向いています
 きちょうめんで文書を作成することが好きな人。どんな人とでも、じょうずにコミニュケーションがとれる人が望まれます。信頼のもたれる人柄も重要です。
『中学生のための仕事発見ガイド』(実業之日本社)より。

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