心身に障害のある人に対し、リハビリテーションをおこなう専門家
理学療法士・作業療法士
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 重い病気にかかったり、交通事故などが原因で心身に障害をおった人たちに対して、医学的なリハビリテーションをおこなう専門技術者が、理学療法士と作業療法士です。  理学療法士はからだの不自由な人へ、マッサージや電気療法、運動療法をおこなって機能の回復を援助する専門家であり、作業療法士は、日常生活の基本的な作業から、絵画、手芸、工作などを通して心身障害者を社会に復帰させるのが役割です。どちらもリハビリテーションの専門家として、医師の指導のもとに患者さんの機能回復にあたります。
 まず患者さんに対して、いろいろなテストをおこない、それらの結果と医師の診断をもとにケース会議を開き、その人に一番合った治療訓練の目標を決めます。そのあとは具体的な方法、プログラムを決め、患者さんを指導し、はげましつつ治療訓練をつづけます。
 その内容は理学療法なら、歩行訓練や筋力増強訓練などの運動療法であり、マッサージなどの物理療法です。
 作業療法なら、木工や手芸などを通して筋肉や関節の動きを増強したり、精神的な緊張をほぐしたりします。また、仕事への復帰のために、職業訓練などもおこないます。

仕事の環境
●理学療法士の8割が一般病院、リハビリテーションセンターで働いています。老人ホームや肢体不自由児施設で働く人もいます。●作業療法士の就職先も理学療法士とほぼ同じですが、このほか3割の人が精神神経科病院で働いています。●現在、理学療法士は7割までが男性であり、逆に作業療法士は6割が女性です。

理学療法士・作業療法士になるには

これまで・今後
 理学療法士、作業療法士という職業は、昭和40年に、その関係の法律ができ、初めて資格職業として誕生しました。  現在、理学療法士、作業療法士の免許をもって働いている人は、それぞれ約1万6000人、約8000人ほどです。  交通事故などでの障害者の増加や、高齢化社会にともない、リハビリテーションの重要性はたいへん高まってきており、現在のところ、理学療法士も作業療法士もまだまだ不足しています。

先輩からのアドバイス
 専門的な知識や経験は、後ろからついてくるものです。「作業療法士になりたいな」と思っている人がいたら、専門的な本を読んだりするよりも、いろいろなことに興味を持って、さまざまなことを生活の中で経験してほしいと思います。「自分らしさ」にみがきをかける。すてきな作業療法士になるには、これです。(作業療法士・鈴木佳代子)

こんな人が向いています
 医学に対して興味や関心のある人。障害者に対する理解、包容力もたいせつです。また、作業療法士では手工芸などをこなし、治療に結びつけられる器用さが必要ですし、理学療法士では、患者さんのからだをささえたりできる体力も必要です。
『中学生のための仕事発見ガイド』(実業之日本社)より。

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