ちょっとしたひらめきから新しい商品が生まれ、それが大ヒットする。この新しいアイディアについての権利は、工業所有権とよばれ、特許庁に出願・登録することにより、他人が勝手に盗んで使うことのないよう保護を受けることができます。この出願・登録申請は一般個人でもできますが、とても複雑な手続きであり、そこで、この手続きを発案者にかわっておこなうのが弁理士です。
工業所有権には、発明とよぶにふさわしい新しい技術にあたえられる特許権、これまでの技術に新しいアイディアを取り入れ、実用性を高めたものにあたえられる実用新案権、そのほか意匠(いしょう)、商標など4種類があります。弁理士は、発案者からの話をよく聞き、まずそれがこの4種類の権利のうちのどれにあたるかを判断します。そして、その種類に応じた出願書類を作りますが、たとえば特許なら、過去の特許に同じようなものはないかを調べ、さらに今後の商品化の可能性を考えて特許出願の範囲を決めます。発明の内容をわかりやすく表現した明細書を書き、図面、願書をそえて出願します。このほか、発案者の権利が侵害されたばあい、異議申し立てや起訴も代行します。つまり、弁理士は発案者の権利を法律で守る専門家なのです。
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