にんにくに「鎮静作用」あり!? ―『毎日役立つ からだにやさしい 薬膳・漢方の食材帳』

2012.04.18

発売以来、多くの方に、日常的に使っていただいている
『毎日役立つ からだにやさしい 薬膳・漢方の食材帳』。
自分や家族の体調に合わせて食材を選ぶと、
「なるほど! 確かにからだが欲していた食材はこれだった!」と
感動することも多いものです。

最近、この本の「にんにく」についての記載で、
読者の方から、ご質問がありました。

「にんにくが『強壮・強精に優れ』ているのは、
昔からよく言われているし、そのような実感もあるけれど、
本に書かれているように『鎮静作用があり』というのとは並立しないのでは?
パワーアップしたら、興奮するんじゃないですか?」

にんにくは、基本的には、質問された方がイメージする通り、パワー系の食材です。
ただ、不足したものをガンガン補うもの(たとえば高麗人参)ではなく、
体内にあるものをうまく巡らせて活用できるようにすることで
元気をみなぎらせる食材なのです。
なので、漢方的な分類も、
気滞(気の巡りが悪い)とお血(血の巡りが悪い)に向く食材とされています。

薬膳・漢方の考え方では、
身体・心身のバランスを整えることが重要で、
食材や生薬の中にも、バランス系素材がたくさんあります。
「にんにく」もそのひとつ。
滞った気や血の巡りを改善することで、高ぶりを鎮めるのです。

西洋医学的な見方でも同様のことがいえます。
にんにくの成分であるアリシンや硫化アリルは、体を活性化させるとともに、
精神安定に働き、不眠にもよいとされています。
ねぎ・にら・らっきょうなどにも同じ成分がありますね。

ちなみに、薬膳・漢方的にも、
ねぎ・にら・らっきょうは、にんにくと同じく
気滞とお血に向く食材です。

ということで、強壮と鎮静、反対に思える作用が
ひとつの食材に混在することになるのです。

この本は、からだに「気・血・水」が
「不足している」のか「滞っている」のかチェックするところから始まります。
「気」や「血」が「滞っている」人は、
にんにくパワーでからだのバランスを整えてみませんか。

(編集部)”