視覚障害者は点字を指で、晴眼者は目で、台本を追いながらの収録。

出演者、スタッフのみなさん。(前列右から)関場理生さん、長村憲治さん、米田京さん、美月めぐみさん、演劇結社ばっかりばっかり主宰・鈴木大輔さん、遠田恵子さん。(後列右から)林幸夫さん(音響デザイン)、板橋かずゆきさん、こぶしのぶゆきさん(声優)、今野正隆さん(バリアフリーシネマサークル代表)、澤村祐司さん、渡井真奈さん(盲ろう者通訳介助者)、海老沢真さん(プロデューサー)。

米田京さん『ブラインド探偵(アイ)』が NHKでラジオドラマ化!

2016.12.27

全盲の作家・米田京さんのデビュー作、『ブラインド探偵(アイ)』が
2017年元日にラジオドラマとして放送決定。
活気あふれる収録現場の様子をリポートします!

第11回北区内田康夫ミステリー文学賞特別賞(区長賞)を受賞した「諦めない気持ち」を第1話に、全盲の元雑誌記者・川田勇が鋭い感覚と推理力で謎に挑む姿を描く、米田京さんの小説『ブラインド探偵(アイ)』。同作所収の「見えない力 白球の真実」がラジオドラマになります。グランドソフトボールという視覚障害者向けの野球競技に、川田が挑戦することから始まるミステリーです。
この企画は、NHK「視覚障害ナビ・ラジオ」の遠田恵子ディレクターが発案。番組を通して、さまざまな分野で活躍する視覚障害者に出会いながら、「みんなで集まったら、何かできるのではないか」と考えていたところ、2015年9月に米田さんを取材。「何か」は「ラジオドラマ」に定まりました。

主役の川田勇を演じる長村憲治さんは、朗読グループの代表を務める。はじめての本格的な演技を経験し、「とても緊張しましたが、達成感がありました。挑戦してみてよかった」と語ります。
川田のヘルパー・田辺弘子役の美月めぐみさんは、俳優としてだけでなく、脚本やキャスティングにも関わっています。「原作の面白さをどれくらい届けられるか不安な面もあるけれど、完成したドラマを聴く楽しみのほうが大きいです」。
脚本は、美月さんの所属する「演劇結社ばっかりばっかり」と、現役大学生・関場理生さんの共同執筆。「小説から脚本を起こすのは初めてでしたが、アドバイスをいただき、とても勉強になりました」と関場さん。
本作のキャストは、美月さん、関場さんのほかにも、箏曲家の澤村祐司さん、シネマサークルの代表を務める今野正隆さん、挿入曲も担当するシンガーソングライターの板橋かずゆきさんと視覚障害者が中心。収録の現場は、アットホームながら、演者の熱意があふれていました。

原作者の米田さんは、ドラマの企画段階から収録までを見守りました。「子供が成長していく様子を見ているよう。自分の作ったキャラクターが、出演者やスタッフのみなさんによって新たな魅力を得て変わっていくのは新鮮でした。みなさんがキャラクターを愛してくれているのを感じました」と笑顔を浮かべていました。

視覚障害者だけでなく、すべての人に聴いてもらいたいドラマ。お聴き逃しなく!

視覚障害ナビ・ラジオ新春スペシャル
「ブラインド探偵(アイ) 見えない力 白球の真実」

原作:米田 京
脚本:演劇結社ばっかりばっかり/関場理生
本放送 2017年1月1日(日) 19:30 ~ 20:00 ラジオ第2
再放送 2017年1月8日(日) 7:30 ~ 8:00 ラジオ第2

チャリティ朗読劇公演もあり!
演劇結社ばっかりばっかりの朗読劇「ブラインド探偵(アイ) 諦めない気持ち 龍神荘の殺人」が、2017年1月27(金)、1月28日(土)に東京・北区赤羽「青猫書房CAFE」で上演されます。詳細は劇団HP(クリックでジャンプ)でご確認ください。

演劇結社ばっかりばっかり 公式HP