京都「細雪」殺人事件 木谷恭介自選集

木谷恭介著（コタニ キョウスケ）

年末年始の休みを平瀬玻奈子と一緒に過ごすため、京都にやってきた宮之原警部。法然寺の近くにある女優・波岡あかりの家を10日間借りることになっていたのだ。だが、細雪の降る中、その家に到着したふたりが見たものは、腹を刺されて血まみれになったあかりの死体だった。顔なじみの京都府警・魚津刑事とともに宮之原が捜査に乗り出す。あかりの人間関係をたどっていくうちに、映画界の欲望の構図が明らかになって……。