「こんなわたしで、ごめんなさい」書影

こんなわたしで、ごめんなさい

平安寿子(タイラ アスコ)

A6判 296ページ

2016年04月05日発売

価格 652円(税込)

ISBN 978-4-408-55287-3

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愛とか恋とか友情とか……
悩む前に、読んでみて。

菅野早弓は根っから明るい人間である。赤ん坊の頃から社交性の塊で、知らない人に抱っこされても、目を合わせればたちどころに笑顔を見せて、「まあ、可愛い」と喜ばれた。物心つくようになっても、人見知りというものをしなかった。幼稚園デビューで母親と初めて離れたときも涙ひとつ流さず、手をつないだ先生を見上げてニコニコ笑った。(中略)内気で臆病な人間からは、「ああなれたら、どんなにいいか」と羨望の目で見られるタイプである。(「こんなわたしで、ごめんなさい」本文より)

女性管理職+学者の妻+娘の母親の三役をこなし、皆が羨む存在だったのに、最近職場で孤独を感じ、暗い毎日を送る、表題作のワーキング・ウーマンほか、婚活を放棄したOL、対人恐怖症の美女、デコデコ・フリフリファッションの少女趣味なオバさんなど、いろんな「わたし」が登場。欠点や弱点、悪い癖を自分から引きはがせずにあがく女たちの悲喜こもごも、人生にジタバタ、ドタバタする「わたし」たちの生態を、ユーモラスに、シニカルに、そしてほろりと描き出す。「平節」炸裂の傑作コメディ7編。
――「そんなあなたを許します」と誰かが言ってくれるまで、先は長いぞ、頑張ろう!