野沢尚のミステリードラマは眠らない
野沢尚著(ノザワ ヒサシ)
A6判 288ページ
2014年04月05日発売
価格 652円(税込)
ISBN 978-4-408-55166-1
在庫あり
稀代の脚本家、ドラマ論のすべて。
江戸川乱歩やエラリー・クイーンを少年時代に読んでいた野沢尚は、高校から大学にかけてシナリオに目覚めた。その後脚本家として、ミステリードラマ史上に燦然と輝く名作『眠れる森』『氷の世界』『リミット』などを世に問う。犯人は誰か、毎回盛り上がる視聴者とネット世論。最終回で明かされた驚愕の真相――それらはどんな発想で生まれたのか。著者のプロットの端緒からシナリオが完成するまでのプロセスと合わせ、著者の発想を公開したドラマ脚本論。著者没後10年にして、初文庫化!
■第一章 僕とミステリーの出会い
●【創作プロセス】シナリオライターへの道
●ミステリー、映画監督、そしてシナリオへの道筋
●高校2年で270枚のシナリオを書き上げる
●ドラマデビュー作でいきなり降板!?
■第二章 名作『喪服のランデヴー』日本版、企画制作秘話
●【創作プロセス】テーマ探しからストーリー構成案作成
●ドラマの着想を膨らませる「引き出し」
●【落書き】をもとに作品のイメージをプレゼンする
●ラストシーンと登場人物のネーミングを考える
●第二章資料――
・【落書き】でみる『眠れる森』の企画案
・【ストーリー構成案】でみる『眠れる森』各回ラストシーン
■第三章 『眠れる森』で直季(キムタク)が死んだワケ
●【創作プロセス】企画書作成(覚書と登場人物の履歴書)
●「僕は死ねませんか」発言はプロット効果
●【覚書】に込める作者からのメッセージ
●【登場人物の履歴書】を作ることの意味
●【履歴書】に書かれた野沢流サスペンスの「犯人像」
●第三章資料――
・【作者の覚書】(『眠れる森』より)
・【登場人物の履歴書】
■第四章 『眠れる森』の犯人のヒントはここにあった
●【創作プロセス】企画書作成(プロット)からハコ書き
●【プロット】でより細かいエピソードを加える
●【ハコ書き】でシーンごとの設計図を作る
●連続ドラマの”正しい”楽しみ方とは
●第四章資料――
・『眠れる森』の中嶋敬太自殺シーンでみるハコ書きへのプロセス
■第五章 『眠れる森』で仲村トオルに見つけてもらった「穴」
●【創作プロセス】シナリオ執筆その1(ト書と準備稿作成)
●「ト書」は演出家と勝負するつもりで書く
●『眠れる森』で冷や汗かいた「時効と海外出張」
■第六章 『リミット』のプロローグはこうして作られた
●【創作プロセス】シナリオ執筆その2(「直し」の重要性)
●優れた演出家とのコラボレーションで膨らむドラマの世界
●<改訂稿>から<決定稿>になって、ようやく執筆終了
●第六章資料――
・『眠れる森』の国府襲撃シーンにみるストーリーの膨らまし方
・『リミット』の主役二人の女が出会うシーンができるプロセスでみるシナリオ改訂例
■第七章 ミステリードラマが書ける喜び
●【創作プロセス】シナリオライターという仕事とは
●シナリオは「書き上げたら終わり」ではない
●シナリオライターとは「ウソをつく」仕事である
■特別掲載『ネット・バイオレンス』
■野沢尚 作品紹介