「命の値段」書影

命の値段 生命保険を創った男たち

渡辺房男(ワタナベ フサオ)

A6判 368ページ

2014年02月05日発売

価格 681円(税込)

ISBN 978-4-408-55161-6

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貴殿の命は百円なり。

生命保険という名の命の絆に賭けた男たちの熱き志を描く!
明治の初め、質屋を営んでいた角田小太郎は、友人の巡査の死や新興商人・安田善次郎との出会いを機に、庶民のための「人命保険」結社を立ち上げた。しかし、「宵越しの金は持たない」江戸っ子たちに生命保険の精神を浸透させるには、多くの災厄と困難に立ち向かわねばならなかった――明治の銀行王・安田善次郎が作った共済五百名社、日本で初の近代的生命保険を作った明治生命など、実在した会社も登場。福沢諭吉が日本に初めて紹介した生命保険の黎明期を描く感動の歴史ドラマ。

他人の命に値段をつけるため、一見するとドライに思える保険の裏側に、熱い「人情」と相互扶助の精神があることを浮かび上がらせた本書は、真の“絆”とは何かを教えてくれる意味で、文庫化された今の方が輝きを増しているのである。
――末國善己(文芸評論家)

第一章 巡査の妻
第二章 命の請け合い
第三章 友愛の結社
第四章 宵越しの金
第五章 人間の寿命
第六章 騙す者 騙される者
第七章 川開きの悪夢
第八章 危機を乗り切らねば
第九章 古着商の死
第十章 命の値段
あとがき
文庫版のあとがき
解説/ 末國善己