「恋糸ほぐし」書影

恋糸ほぐし 花簪職人四季覚

田牧大和(タマキ ヤマト)

四六判 288ページ

2016年11月11日発売

価格 1,650円(税込)

ISBN 978-4-408-53696-5

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江戸の若き職人が美しい花簪で、悩める人々の心を癒す――
名手が贈る珠玉の人情小説集

「こじれた心の結び目を、あっしがほぐしてみせやしょう」

二十五歳の花簪職人・忠吉(ちゅうきち)は、親代わりの杉修(さんしゅう)和尚、幼馴染みの住職・以風(いふう)、少女さきと麻布の大中寺(だいちゅうじ)で暮らしている。辛い体験に心を塞がれているらしく、さきは耳が聞こえず、言葉を発しない。和尚たちの食事作りと、寺を訪れる人々の悩み相談を担う忠吉は、さきが薬草の匂いに怯えることに気づく。片想いに悩む男に贈った小菊の花簪が「恋が叶う」と評判になり、殺到する注文をこなしながら、さきの心を開く方法を思案する忠吉だったが……。

第一話 藍の鳥
第二話 小菊、揺れる
第三話 藤結び
第四話 野萱草の女
第五話 ままごと内儀
第六話 大中寺の春