「一〇〇歳が聞く一〇〇歳の話」書影

一〇〇歳が聞く一〇〇歳の話

日野原重明(ヒノハラ シゲアキ)

篠田桃紅(シノダ トウコウ)

堀文子(ホリ フミコ)

入江一子(イリエ カズコ)

後藤純男(ゴトウ スミオ)

高山辰雄(タカヤマ タツオ)

新書判 160ページ

2015年10月15日発売

価格 1,100円(税込)

ISBN 978-4-408-53676-7

在庫あり

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何歳になっても可能性は無限大――

90歳、さらには100歳を超えて現役で活躍する美術家たちが、人生哲学から健康法まで、今だからわかる人生の真実を語る。聞き手は2015年に104歳を迎えた日野原重明。ベストセラー『一〇三歳になってわかったこと』の著者・篠田桃紅氏のアトリエを日野原氏が訪問するなど、バラエティに富んだ充実の一冊。


「美術家には、長寿で活躍しておられる方がとても多い――医師としてたくさんの出会いを重ねていくなかで、いつからかこう実感するようになりました。ただ長寿というだけではありません。年を経るごとに、クリエイティビティ豊かに花開いていく。病を糧にして新たな境地に達する――そんな姿に間近で接してきました。
この本に登場する先生方は、日本を代表する美術家であり、九〇歳、一〇〇歳前後でも第一線で活躍を続けてきた方ばかりです。生まれは明治末から昭和初期。関東大震災、太平洋戦争、戦後の復興、そして現在と、激動の時代を生きてこられました。私にとっては、職業は違えど同じ時代を駆け抜けてきた友だち、いや、同志のような存在だと思われます。
私は聖路加国際病院に内科医として赴任した一九四一年から現在まで、どうしたら病んだ人の心と体、そして魂をもケアをすることができるか、という課題に取り組んできました。その過程で確信したのは「人間を癒(いや)すのは、芸術である」ということです。人は苦しみのなかにあるときにこそ、自分のことを省み、他人の苦しみにも共感できるようになります。それは、感受性が高まっていることの証です。そんなときに、そばに芸術、すなわち美術や音楽があれば、どれほど心癒されることでしょう。医療と芸術は、人生を豊かにするという点において、共通点が非常に多いのは真実だと思います。
美術家の方々との対話を通して、私はその思いをさらに深めるようになりました。生涯現役で、アートを生み出してきた方の言葉が、読者の皆さまの心を少しでも輝かせることができれば、これ以上嬉しいことはありません」
――日野原重明(「はじめに」より一部抜粋)

はじめに 日野原重明
篠田桃紅 出会いがもたらす可能性は無限大
堀 文子 宇宙のなかに浮遊する砂一粒のように
入江一子 年を重ねるほど大胆に
後藤純男 病を得て自覚した「命」
高山辰雄 「未完成」も人として正しい在り方