黒闇
草凪優著(クサナギ ユウ)
四六判上製 448ページ
2015年09月04日発売
価格 1,980円(税込)
ISBN 978-4-408-53673-6
在庫なし
「性と生」を描くカリスマ 初の単行本!!
妻に養ってもらい、堕落した日々を送る男。ある日、妻が離婚を切り出すと、それを拒否。妻の恋人が、日本で一番売れている音楽アーティストだからだ。離婚を渋る男に、「血の繫がった娘を捜しだしたら、三千万円支払う」とアーティストは依頼する。男は母娘を捜し、パチンコ通いの母、風俗店で働く20歳の娘と出会う。そして、突然恋に落ちた――。最底辺の暮らしから抜けだすために家族になった、男と女とその連れ子。過去を忘れてまっとうに働き、地道に生きていこうとするが……。ちぎれる愛、諍う母娘、巨額の遺産話、暴力と殺人。人間の「性と生」を描く、暗黒の恋愛小説。
「これまで書いてきた小説からは一歩も二歩も進化し、深化もした作品である」「闇の向こうを見てみたいと思った……セックスをテーマにした小説を書いている私にとって、闇とはオルガスムスであり、オルガスムスは死のメタファーである。必然的に、死の向こう側を見つめる作品になった」(草凪優)
装丁は、第49回造本装幀コンクール・経済産業大臣賞受賞の造本家・町口覚(マッチアンドカンパニー)。写真は、荒木経惟の愛弟子であり、世界で活躍する写真家・野村佐紀子。漆黒と銀が織り成すカバーが、読者を黒く深い闇の世界へ誘う。
【評論家&書店員さんから絶賛・感嘆の声!】
「とても危険な小説だが、どこまでも心地よい」
(池上冬樹・文芸評論家)
「性と死の極限を描いた、草凪優の最高傑作」
(末國善己・文芸評論家)
「虚無を抱えた男、偽善にすがる女――暗黒の恋愛小説だ」
(杉江松恋・文芸評論家)
「官能小説だと思い油断して読んだら、裏切られた。本気の文学だった。」
(田口幹人さん・さわや書店 フェザン店)
「狂おしく儚く眩しい命の咆哮に思わず言葉を失った」
(内田 剛さん・三省堂書店 営業企画室)
「人は愛によって力を得ることもあれば狂気に陥ることもある」
(平井真美さん・八重洲ブックセンター 本店)
「すべての人が、良くも悪くも前に進もうとして、堕ちた。それがいい」
(森 瑞人さん・紀伊國屋書店 新宿本店)
■第一章 周回遅れ
■第二章 突き抜けたい
■第三章 にわか家族
■第四章 アンダーカレント
■第五章 キルユー、キルミー
■第六章 病める者たち
■第七章 因果の果て
■第八章 トリガー
■第九章 難破船
■第十章 闇の彼方に