「九重の雲」書影

九重の雲 闘将 桐野利秋

東郷隆(トウゴウ リュウ)

四六判上製 624ページ

2009年03月18日発売

価格 2,420円(税込)

ISBN 978-4-408-53546-3

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幕末の京都、維新の薩摩で
「人斬り半次郎」と怖れられた男の真実とは――

剣の達人にして、その性明朗闊達。半面、粗雑にして無学文盲。果して、その伝説は真実か――中村半次郎、のちの桐野利秋は明治以降、多くの文学者たちによって造り上げられたイメージ、つまり幕末の京都を震撼させた無教養な殺し屋として、また、西郷隆盛をたぶらかし、西南の役を引き起こした首謀者として記憶されている。しかし、彼が京にあった際の日記に接し、「九重の雲をはらいてやがてまた はれし都の月を見るべき」という歌に接すれば、決してそのような軽々しいイメージは当たらないことがわかる。鹿児島から身を起こし、名を馳せた京、江戸での活躍、維新後の西南の役に至るまで、西郷とともに闘い、義に殉じた堂々とした生涯を鮮やかに描く、著者渾身の大作!