蹴りたがる女子
高崎計三著(タカサキ ケイゾウ)
杉博文写真(スギ ヒロフミ)
四六判 208ページ
2015年07月17日発売
価格 1,650円(税込)
ISBN 978-4-408-45564-8
在庫なし
なぜ彼女たちはリングの上で舞い続けるのか?
そして彼女たちは、リングの上で何を見つけたのか?
現在のスタイルになってから100年近く、原型まで含めると数百年の歴史を誇るタイの国技「ムエタイ」。そのムエタイをベースに日本式のアレンジを加えた「キックボクシング」も、50年の歴史を数える。また、パンチ・キックに加え組んでの投げと立った状態での絞め技・関節技も有効な「シュートボクシング」は2015年に創設30周年を迎えた。
これらの競技を総称して「立ち技格闘技」「打撃系格闘技」と呼んだりするが、近年はこれら各種目において女子選手の試合・大会もだんだんと数を増してきた。女子のみの大会はJ-NETWORKが立ち上げた女子大会「J-GIRLS」、シュートボクシング協会が年に一度開催する女子の祭典「GIRLS S-cup」があり、その他男子選手主体の興行でも、女子マッチが組まれるのは今や日常的な光景だ。
女子の王座も増えてきた。各団体が制定している王座に加え、タイのWPMF(世界プロムエタイ連盟)やWMC(世界ムエタイ評議会)、WBC(世界ボクシング評議会)のムエタイ部門が認定する世界王座を懸けた試合が日本で行われることも多い。
本書は、こうした「女子立ち技格闘技」の世界で活躍するトップクラスの選手7人にインタビューし、彼女たちの来歴や考え方を紹介するものだ。リング上で華麗かつ激しい攻防を見せる彼女たちはどういう道のりを辿ってここまで来たのか。その過程で何を思い、何を考えてきたのか。そしてこの先に何を見据えるのか。7人それぞれの「これまで」と「これから」を追った結果が、ここにはある。
一つ、7選手(と、エピローグに登場する1人)に共通の質問をしている。「これまでの選手生活で、何かを『犠牲』にしてきましたか? したとすれば何ですか?」という問いだ。アスリートの成功は、何かを「犠牲」にしないと成り立たないものなのだろうか。各選手の答えは、バラエティに富んだものとなった。そこも併せてご注目いただければ幸いである。
【登場選手】(50音順)
■いつか(元レースクイーン/ WPMF世界女子フライ級王者、WPMF日本女子フライ級王者)
■伊藤紗弥(天才ムエタイ少女/ WPMF日本女子ピン級王者)
■朱里(現役女子プロレスラー/ 初代Krush女子王者)
■高橋 藍(書籍編集者/ 元シュートボクシング日本女子フライ級王者)
■田嶋はる(元中学教師/ WPMF世界女子ミニフライ級王者、WPMF日本女子アトム級王者)
■松田玲奈(AKBコスチュームの歯科助手/ J-GIRLSフライ級王者、蹴拳女子フライ級王者)
■Little Tiger(タイガーマスクの愛弟子/ WPMF&WMC世界ピン級など8冠を戴冠)