カラー版 「水」が教えてくれる東京の微地形の秘密
内田宗治著(ウチダ ムネハル)
新書判 192ページ
2019年07月04日発売
価格 1,100円(税込)
ISBN 978-4-408-33869-9
在庫あり
カラー凸凹地図を多数収録、丘と谷を歩こう!
東京の街作りの主役は「湧水」と「川」だった! 神田川、渋谷川、石神井川。
もう見えなくなった赤坂川、宇田川、藍染川。
微地形を利用して作られた玉川上水。
それぞれの川が刻んだ谷と丘の上に注目すると、
まったく新しい「水が作った東京の歴史」が見えてくる。
谷と丘で何が違うのか?
川が作った微地形、微地形が作った東京を散歩しながら把握しよう。
■第一章 江戸城建造の濠と水源
①東京の地下鉄が地上に顔を出す理由…徳川家康の都市づくりのせいだった
②東京駅は入江の中、銀座は半島だった 中世末期と明治初期の海岸線比較
③城と町、大土木工事の開始 日本橋方面へと川を大移動
④内濠建設では半蔵濠に注目 千鳥ヶ淵と桜田濠へのそれぞれの水源とは
⑤地形がいかにも不自然! 御茶ノ水駅付近の神田川は幕府の洪水対策
⑥明治時代、都心屈指の難工事区間 18年かけて御茶ノ水付近の線路が完成
⑦外濠造成も二つの川を利用 四ツ谷と赤坂見附の間にある分水界
■特集 マイナスの標高と「水」
⑧東京下町低地の「海面より低い土地」 荒川氾濫では浸水が長期にわたる地も
■第二章 川を見下ろす権力の館
⑨神田川を見下ろす高台 その1 東京一、深山幽谷を感じさせる地
⑩神田川を見下ろす高台 その2 総理大臣の邸宅が連なる南向きの丘
⑪神田上水 日本で初めて作られた都市水道 拝まれる対象から疫病神への転落
⑫小石川・大塚界隈 今はなき、大邸宅にあった池の数々
■第三章 複雑な谷が生んだ文化
⑬古川沿岸、古い地形の台地概説「無秩序に多い坂」に育まれた港区文化
⑭麻布、六本木、飯倉界隈 丘上の屋敷町と丘下の庶民の町
⑮古川沿岸低地、麻布十番商店街 都電廃止で衰退から賑わい復活まで
⑯白金、高輪、御殿山、島津山 工場地帯を見下ろす企業家の邸宅群
■第四章 廃川跡と江戸の上水道
⑰渋谷・原宿・新宿御苑 地下に潜った渋谷川を遡って源流部へ
⑱神田川から目黒川、呑川、渋谷川へ 水がないのに清流のある川のからくり
⑲石神井川が王子の台地を突き破った!? 上流を奪われた藍染川、渓谷美の滝野川
⑳玉川上水 「奇跡の地形」が可能にした江戸の上水道