「悪代官はじつは正義の味方だった」書影

悪代官はじつは正義の味方だった 時代劇が描かなかった代官たちの実像

山本博文監修(ヤマモト ヒロフミ)

新書判 192ページ

2018年03月09日発売

価格 880円(税込)

ISBN 978-4-408-33771-5

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江戸時代の「代官」の驚きの実態とは?

悪徳商人と結びつき、農民には重税を課しながら本人は贅沢ざんまい……
その末に正義の味方に成敗されるイメージばかりの江戸時代の「代官」。
しかしその実態は、多忙すぎる業務の割には報酬も、部下の人数も、
本人の休暇も少ない中で奮闘する江戸幕府の中間管理職だった!
上司と領民の間で板ばさみになることもありながら職務に尽くした代官の、
仕事、職場、採用・昇進システムや、その活躍を探る。

序章 “代官”とはどのような人々か?
代官とは何か?/江戸の官僚制と代官/代官所の人々/支配される人々

第一章 代官の仕事―忙しすぎる“お代官様”の働きぶりに迫る!
休暇は年間十九日! 失敗すれば処分……代官は超ブラックポストだった!/
代官所に詰めるわずか三〇人ほどで幕領を支配できた理由とは?/
代官の最も重要な仕事「検見」……でも代官は勝手に年貢を決められなかった!/
全国規模で展開された江戸初期の開発ブームを支えた代官たちの治水・灌漑記述/
江戸在住の代官が駆り出された将軍の趣味とは?/
江戸時代に起こった百姓一揆は一件だけ!? 領民の不満はどうやって解決されたのか?/
即決裁判は不可能だった代官の裁判 ほとんどは内済によって平和が保たれた?/
領民の結婚の世話も代官の仕事!? 陸奥代官・寺西封元の活躍 ほか

第二章 代官の生活―“お代官様”の意外な日常を覗く!
代官になれるのは、代官の子か勘定書の職員ばかり!?/
ただの住居兼オフィスではない! 裁判所や倉庫もついた代官所「陣屋」/
お代官さまは家庭菜園で野菜を育てていた!?/
宴席に次ぐ宴席 莫大な出費を要した代官の引っ越し/
「おぬしも悪よのう……」ほんとうにあった商人とお代官の禁断の関係/
えっ、これだけ!? 代官は、責任重大なのに驚くほど薄給だった!/
人件費に交際費……自腹が多すぎて代官職を世襲したら破産する!? ほか

特集! 名代官 VS. 悪代官―滅私奉公の10人の代官と私利私欲にまみれた3人の代官
江川英龍/井戸正明/伊奈忠次/川﨑定孝/田中善古/鈴木重成/山口高品/
岡上景能/荒井顕道/林長孺/塩谷正義/大原正純/大久保長安

第三章 代官の江戸時代―“お代官様”の性格はどのように変わったのか?
幕府草創期の代官/寛永期の代官/元禄期の代官/八代吉宗時代/寛政の改革と代官/
天保の改革と代官/幕末の代官