海賊がつくった日本史
山田順子著(ヤマダ ジュンコ)
四六判 312ページ
2017年07月27日発売
価格 1,760円(税込)
ISBN 978-4-408-33712-8
在庫あり
日本史の真髄は海の争奪だった!
日本史の真髄は海の争奪だった!
白村江の戦い、源平合戦、元寇、応仁の乱、南北朝の争い、戦国時代、関ヶ原の戦い……。
歴史上の戦争や事件にはすべて海賊の存在があった!
時の権力者が欲した、海賊の力と海の覇権とは?
学校で学ぶ日本史は陸の歴史が中心であり、海の歴史は馴染みが薄い。
島国である日本では陸路よりも海路が文化の伝達や物資の運搬の主役を
担っていたにもかかわらずなのにである。
本書を読めば、日本の歴史が海と深い関係を持ち、
そして歴史をつくってきたのが「海賊」だったことに気がつくはずだ。
越智海賊、河野海賊、三島村上海賊、九鬼海賊、松浦党、多賀谷海賊、宗像海賊、熊野海賊、
渡辺党、忽那海賊、三浦海賊、梶原海賊、伊豆海賊など、海賊にスポットを当てた、
まったく新しい日本史の視点!
【本書の内容】
第一章 古代 海の神話と海賊の誕生
第一項 海の神の系譜
■信仰する海の神を知れば、海賊集団の大きな系譜が分かる
■海賊が信仰した海の神の正体
第二項 神武天皇と徐福
■徐福伝説~渡来人の足跡
■神武天皇の東征~徐福と神武天皇はなぜ、船で熊野へ向かったのか?
第三項 日本水軍の祖は女帝
■船団で新羅を攻めた神功皇后は卑弥呼なのか?
■日本水軍の誕生~斉明女帝と中大兄皇子
第四項 海賊のはじめ
■文献に「海賊」の文字が出てきたのはいつか?
■なぜ、平安時代の文献に海賊が多数登場するのか?
第五項 文献で見る大陸交流史~日本海を行き交う船団
■ヤマト朝廷は万単位の軍を朝鮮半島に出兵していた?
■任那争奪~なぜ、倭は朝鮮半島にこだわったのか?
■遣隋使・遣唐使を行なった意味
■新羅との交流
■渤海との交流
第六項 海の神の子孫
■越智海賊~小千から越智へ
■河野海賊~河野氏誕生の物語
余録・ 古代の船はどんな船で、どの程度航行できたのか?
第二章 中世(平安~鎌倉時代) 海賊が歴史の表舞台に立つ
第七項 藤原純友は海賊なのか
■名門貴族の御曹司
■純友の蜂起
■純友は海賊なのか
第八項 海の武士団登場
■平氏の台頭
■平氏の栄華を支えた日宋交易
■頼朝の挙兵と平氏の没落
■源氏の敗戦からの復活は三浦海賊にあり
第九項 源平合戦~瀬戸内海の制海権争奪
■陸の源氏VS海の平氏
■河野氏はなぜ、平氏に反旗を翻したのか
■鎌倉からの兵糧船
■屋島合戦と渡辺党
第十項 海賊が歴史の表舞台に出た日~源平最終決戦
■平氏の水軍
■熊野海賊
■海賊たちの壇ノ浦の決戦
第十一項 守護地頭と海賊
■義経追討
■鎌倉の和賀江島
■承久の乱で没落した熊野海賊と河野海賊
第十二項 元寇と船戦
■日元交渉
■第一次元寇~文永の役
■第二次元寇~弘安の役
■元寇の船戦
第十三項 海賊対策と南北朝の始まり
■海防と海賊対策
■建武の新政
余録・ 寄船と関銭
第三章 戦国時代前夜 南北朝・応仁の乱で活躍した海賊たち
第十四項 南北動乱と瀬戸内海
■南朝政権樹立に伊勢・志摩の海賊の活躍
■北畠親房の海上作戦
■懐良親王を迎えた瀬戸内海
■九州政権樹立
■再び河野氏の危機
第十五項 海賊の代名詞的存在・村上一族の歴史
■海賊大将軍・村上義弘
■瀬戸内海の三国の境を支配する海賊??忽那義範
第十六項 倭寇と日明貿易
■倭寇の黒幕は南朝の懐良親王だった!?
■幕府の財政を支えた日明貿易
第十七項 宋希環の海賊日記
■当時の海賊事情がわかる貴重な史料
■日朝間の緊迫な外交模様
第十八項 海賊大将軍列伝
■悪名高い「海賊」を肩書きとした理由とは?
■後期村上氏の創始「師清」の謎
■陸から海へ押し出された多賀谷海賊
第十九項 海の応仁の乱
■守護大名の傘下で「警固衆」と呼ばれた海賊たち
■海賊たちにとって応仁の乱は無駄な戦だった?
■応仁の乱は日明貿易の利権争いだった!?
■応仁の乱が倭寇の息を吹き返すことに
余録・ 上乗りと警固料
第四章 戦国時代 海賊から水軍に、そして大名へ
第二十項 戦国大名と警固衆
■海賊から警固衆へ~海賊一族の流れ
第二十一項 東海の海賊 今川・武田
■戦国大名今川氏~遠州灘と駿河湾を押さえ、輸送業を手がける
■戦国大名武田氏~海賊衆のほとんどを今川氏から引き継ぐ
第二十二項 関東の覇権 北条・里見
■戦国大名北条氏~多くの海賊の根拠地だった伊豆半島沿岸部
■戦国大名里見氏~北条氏と大海戦を展開
第二十三項 三島村上と厳島合戦
■三島村上氏~日本で一番有名な海賊
■風雨を味方にした大海戦??厳島合戦
第二十四項 九鬼嘉隆と石山合戦
■海賊大名九鬼嘉隆??初めて水軍を組織した男
■石山合戦~信長VS本願寺の十年に及ぶ戦いの火蓋
■第一次木津川口海戦??毛利軍の「焙烙」戦法に織田軍は敗走
■第二次木津川口海戦??日本初の装甲船が登場
第二十五項 海の天下統一 海賊禁止令
■織田軍の海賊衆調略
■秀吉の四国・九州平定
■海賊禁止令
■東国平定
第二十六項 海賊の終焉
■朝鮮出兵
■村上海賊と関ヶ原
■九鬼海賊と関ヶ原
■松浦党と関ヶ原
余録・ 造船技術の進化と船の種類