男はなぜ女より短命か? テストステロン低下症が引き起こす男の動脈硬化・メタボリック症候群
熊本悦明著(クマモト ヨシアキ)
四六判 184ページ
2013年12月20日発売
価格 1,540円(税込)
ISBN 978-4-408-33506-3
在庫なし
三浦雄一郎氏 推薦!
日本人男性の平均寿命は日本人女性の平均より7年も短いのをご存じですか?
生存率のカーブをみてみると、50歳までと80歳以降は同じカーブを描きますが、50歳~80歳の間をみると、男性の生存率が女性に比べて低くなるのです。その原因はなにか? それは男性ホルモン、なかでももっとも重要なテストステロンが減少することにあります。テストステロンの減少は、血管を老化させて心筋梗塞や脳梗塞をもたらします。また、メタボリック症候群になり、赤血球を減少させ、筋肉・体力や免疫力の低下をもたらします。これらの減少が、50歳から80歳にかけての男性の生存率を急低下させている大きな原因なのです。
また血管老化のバロメーターとして早朝勃起の有無も重要と本書で解説しています。早朝勃起の現象を確認していると動脈硬化予防につながるというのです。というのも動脈の中で一番細いのがペニスに通る動脈で、心筋梗塞に関係する心臓の動脈の3分の1、脳卒中などに関係する頸動脈の5分の1の細さで、睡眠に関連する無自覚勃起の有無はまず最初の血管の老化を意味し、この段階でテストステロンを補充することで老化を防ぎ、ひいては循環器疾患も防ぐことにつながるのです。
テストステロン値が低下すると、「やる気がなくなる」「体調が優れない」などの初期症状があらわれます。この状態のことを「男性更年期障害」と呼びます。ただこのことを知らないで、やる気が起きないなどのメンタル面での障害と考え、心療内科に通ってしまう人が多くいます。心療内科ではなかなか男性更年期障害と考えテストステロン低下症と検査診療するとこはありません。そのため「うつ」と判断され安定剤を処方され、悪化してしまうこともあります。うつには、精神疾患からくる「体質性うつ」とテストステロン低下からくる「更年期うつ」の二種類があるのです。後者の場合、テストステロン製剤を補充してあげれば目に見えて効果が上がるのです。もちろん前者の場合でも、補充した後での治療が望ましく、最近はその必要性を訴える心療内科医もいるようです。
テストステロン低下症の治療法は先に挙げたとおり、テストステロン製剤による補充ですが、それには必ず綿密な診断が必要になってきます。本書では、その診断法やどのような機関へ行けば診察が受けられるのかなど丁寧な解説がなされています。男性医学の第一人者が明かすテストステロンの重要性を知ってください。