本当はこんなに面白い「おくのほそ道」 おくのほそ道はRPG(ロールプレイングゲーム)だった!
安田登著(ヤスダ ノボル)
新書判 208ページ
2014年01月11日発売
価格 838円(税込)
ISBN 978-4-408-33109-6
品切
死、中有、再生、鎮魂のステージからなる
壮大な旅の物語は、現代のRPGだった!
中学・高校で、だれもが触れる、松尾芭蕉の不朽の名作『おくのほそ道』。でもこの物語、実は当時の門人たちがゲーム感覚で楽しみながら読んでいた、今でいうロールプレイングゲームのようなものだった! 当時の流行芸能であり、知識人の常識でもあった「能」をキーワードに読み解いてみると、その実態が見えてくる。
『おくのほそ道』というロールプレイングゲームでのゲームマスターは松尾芭蕉。参加するのは蕉門の人たち。門人たちは、自分がまだ行ったことのない東北を、松尾芭蕉のトークとともに旅をした。現代のロールプレイングゲームでは、怪物の巣食うダンジョンに迷い込み、怪物たちと遭遇するが、『おくのほそ道』では、芭蕉が実際の旅で迷ったように人々も迷宮に迷い込み、行く先々で詩人の魂や亡き人の霊と出会う。怪物と戦う代わりに、詩人の魂と交流をし、怨霊を鎮魂し、四季の景色を愛でて、名所を一見する。
コスプレあり、ジョブチェンジあり、パラレル・ワールドあり。まったく新しい視点から読み直した、本当は面白い『おくのほそ道』の世界を紹介。
【内田樹氏推薦】
芭蕉は現実の空間を踏破しながら、同時に物語の中も旅します。死者たちのための物語です。『おくのほそ道』は旅日記であると同時に、芭蕉と死者たちのあいだのひそやかな対話の記録です。その対話の聴き手として安田登さんほど適任の人を僕は思いつきません。
■序章 RPGとして読むおくのほそ道
パラレル・ワールド移行スイッチを探せ! 攻略本は「能」!
■第1章 死出の旅
壮大なミッションに向けて、過去の自分を捨てる旅
――ファーストステージ 深川~日光
■第2章 中有の旅
死と生の狭間で生活エネルギーを回復する旅
――セカンドステージ 那須~遊行柳
■第3章 再生の旅
鎮魂者へと生まれ変わっていく旅
――サードステージ 白河~しのぶの里
■第4章 鎮魂の旅 PART1
与えられたミッションを遂行していく旅・前編
――ファイナルステージ(1) 飯塚~末の松山
■第5章 鎮魂の旅 PART2
与えられたミッションを遂行していく旅・後編
――ファイナルステージ(2) 塩竃神社~平泉