「アジアの覇権国家「日本」の誕生」書影

アジアの覇権国家「日本」の誕生

長谷川慶太郎(ハセガワ ケイタロウ)

四六判 224ページ

2015年01月31日発売

価格 1,650円(税込)

ISBN 978-4-408-11122-3

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国際常識を無視する中国、韓国は自滅の道をたどる

「力」による現状変更を実行しようとする中国。南シナ海ではベトナムやフィリピンと領有権争いを展開し、東シナ海においては尖閣諸島で中国公船による日本領海への侵入が頻繁化。こうした中国の傍若無人の振る舞いに、アジア諸国は中国に対してのイメージを悪化させている。

これに対して日本の安倍晋三首相の、国際法に則り問題を解決すべきという姿勢が各国から賛同を得て、高く評価されている。「積極的平和主義」を標榜している日本が、アジアの盟主国家となる日がそこまで来ている。世界第二位の経済大国となった中国は、これまでアジアの盟主国家として存在をアピールしてきたが、今やバブル崩壊寸前にある。その反面、日本経済は順調に拡大し、アジア諸国の日本に対する期待が高まっている。

中国経済は不動産価格の暴落で、2015年度のGDPは6%成長を割り込むと著者の長谷川先生は判断。カネ詰まりが酷い中国では銀行経営も窮地に陥っているという。さらに、日本に従軍慰安婦問題で対応を求めている韓国も経済は厳しい状態にある。サムスンなど巨大企業の躓きや中国向け輸出の不振、さらに北朝鮮の崩壊で、韓国は日本に頼ることになる。また、中国も日本からの資金援助を求め、表向きは「終戦70周年」を迎え「抗日」姿勢を強めてくるが、日本企業の中国進出を図りたいと考えている。しかし、バブル崩壊局面に突入した中国に進出する企業は減少傾向を鮮明にしよう。

こうした中、中国では権力闘争が激化。2015年3月の全人代以降、元国家主席・江沢民が摘発され、さらに前国家主席の胡錦濤も「党の重大な規律違反」があったとして、党籍を剥奪されると予想している。権力を集中する習近平は、ソビエトのスターリンを目指していると分析。そのスターリンは第二次世界大戦で勝利したからこそ、政権を長期にわたって維持することが出来たわけだが、今の世界は平和を標榜しており、大国同士の戦争はあり得ない。という事は習近平の野望は砂上の楼閣のように崩れ去るとみている。

また、ロシアは原油価格の暴落で経済的な窮地に陥り、結局、クリミヤ半島を手離し西側諸国側に参加することになり、中国包囲法が一段と強まると、長谷川先生は予測している。そして、アジアの覇権国家は中国から日本に移ると予言した。本書は著者の長谷川先生の独特の切り口から日本、中国や韓国、北朝鮮、米国、ロシアを巻き込んだアジア情勢はどうなるかを分析・解説した。