空から見る戦後の東京 60年のおもかげ
竹内正浩著(タケウチ マサヒロ)
A4判 280ページ
2014年07月31日発売
価格 5,500円(税込)
ISBN 978-4-408-11027-1
在庫なし
1948年、1975年、2009年。
あのころ歩いた街並みを、地図帳のように見ることができる空中写真の本。
山手線全エリアを収録。
建物疎開や空中の跡など戦争の傷跡が残り、米軍施設も存在する、1948年の東京。高度成長期を経て発展を遂げ、ビルの時代となった1975年の東京。バブル崩壊を経て、都心から工場がなくなり、タワーマンションが林立する2009年の東京。60年を隔てた3時代の空中写真には、終戦後の東京が歩んできた歴史が余すところなく記録されている。
例えば新宿。2009年、西新宿は高層ビル街であり、南口にはタイムズスクエアが威容を誇る。新宿御苑の西側には明治通りの新道が工事中。1975年、西新宿の高層ビルはまだ発展途上、南口には貨物駅。明治通りと外苑西通りの間には民家もたくさんある。1948年、西新宿には淀橋浄水場は都民の飲料水をなみなみと湛えている。幹線道路には都電が走っている。
それぞれの時代、時勢を反映して施設は作られ、人は集まり活動してきた。経済活動は連続性を持つものだが、空中写真においてはそれが一瞬で切り取られ、まるでタイムカプセルようにそこに写る。その瞬間と連続性について、詳しい解説を付した。
かつてそこで働き、あるいは暮らした方には当時の懐かしさを。現代に生きる方には、かつてそこに息づいていた人びとの生活と、東京が重ねてきた街の歴史を。資料性の高さと物語性を備えた画期的な本は、昭和戦後を生きた方へのプレゼントにも最適だ。