人はなぜ愛するのか
齋藤孝著(サイトウ タカシ)
四六判 208ページ
2013年08月28日発売
価格 1,320円(税込)
ISBN 978-4-408-11014-1
在庫なし
愛は「孤独」から逃れる単なる手段なのか!?
人間にとって「愛」は永遠のテーマです。人は愛に歓びを感じると同時に苦しむ時もあります。愛は生きるための巨大なエネルギーを発揮しますが、場合によっては愛に絶望し、悩むのです。そもそも、人はなぜ人を愛するのでしょうか? 時間が経つと、あれほど情熱的だった愛が醒めて、ときめき感は失せてしまいます。そして、相手の欠点だけが気になりはじめ、相手に飽きてしまいます。ついには、相手を裏切り、または相手に裏切られ、嫉妬というモンスターが暴れ出し、心は傷つき、疲れて絶望の淵に立たされることもあります。それは、多くの方が一度は経験していることだと思います。
しかし、それでも愛は人間が人間として、人間らしく生きるために絶対に必要だと、著者の齋藤孝先生は指摘しております。愛は孤独から逃げるための単なる手段なのか、それとも愛することによって、または愛されることによって、自分が人間として成長することが出来る方法なのか。それは、その人の愛に対する考え方で大きく変わってきます。女性は結婚する時に「私を幸せにしてね」「私を守ってね」と相手の男性に言う事がありますが、そもそも、2人はお互いに力を合わせて、いろいろな困難に立ち向かっていかなければないないわけで、一方的に「してほしい」という感情が支配しているようなことでは、本当の幸せは掴めないと齋藤先生は、いろいろな観点から指摘しております。
また、ロシアの文豪ドストエフスキーの『罪と罰』や、『万葉集』の相聞歌から「究極の愛」とは何かについて独自の観点から解説をしており、恋愛の興奮とは切り離して、「習慣」へと考え方をシフトしていくことが大切と、この本で齋藤先生は主張しております。一方、宗教の愛は見返りを求めません。それでは人間の愛はどうなのでしょうか? こうしたことを探りながら、愛に悩み、苦しんでいる方が読むことで、心が晴れて明るい気持ちになること請け合いの、愛の「救世主」本!