日本人なら知っておきたい名前の由来、名付けのいわれ
大野敏明著(オオノ トシアキ)
新書判 208ページ
2013年02月14日発売
価格 838円(税込)
ISBN 978-4-408-10976-3
在庫なし
名にし負うもの、ありますか?
日本人の個人名の付け方にはどんな規則性や意味合いがあるのか、その歴史的変遷、流行をわかりやすく解説し、名付けのいわれについて考察する。日本書紀に最初に登場する国常立尊の古代から、日本人の命名法には、時代ごとに決まりがあり、流行があった。「みこと」や「まろ」は消えたが、「ひこ(彦)」はいまも使われている。役職や身分を由来とする名前「太夫」「兵衛」「衛門」「将監」「丞」なども消えて、現在では、キラキラネームと呼ばれるものまで現れた。が、どんな名前にも、子の健勝を願う祈りが込められていることに違いはない。いま男の子なら大翔、悠真、颯太が、女の子ならさくら、陽菜、結愛などに人気があり、100年前には正一、清、正雄、千代、ハル、ハナが、昭和19年には勝、勇、勝利、和子、洋子、幸子が各ベスト3だった。流行は激しく入れ替わる。誕生時の幼名や辟邪名、成人しての実名、通名、そして忌名、諱、諡というように、一人の名前にも変化がある。惣領である第一子には太郎、第二子には次郎、第三子には三郎と付け、イチローといえば第11子、小次郎といえば第12子の意味合いをもっていた。また勘三郎とは菅原氏の三男、吉太郎とは橘氏の長男だった、など、名付けには一族の誇りや願いがこもっていて、その豊かな文化的意味は実に興味深い。