「知れば知るほど面白い 英雄たちで知る三国志」書影

知れば知るほど面白い 英雄たちで知る三国志

渡邉義浩監修(ワタナベ ヨシヒロ)

高橋康浩(タカハシ ヤスヒロ)

新書判 232ページ

2013年01月19日発売

価格 838円(税込)

ISBN 978-4-408-10964-0

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魏・呉・蜀が鼎立する混沌期を読み解き、真実に迫る!

劉備と諸葛孔明は、ホントに相和す「水魚の交わり」な関係だったのか!? 三顧の礼で迎えた“名士”孔明と、関羽ら武人たちの間では絶えずせめぎあいがなされていたのではなかったか。皇帝の権威が失われた後漢末期、黄巾の乱以降、新たな覇権をめざし台頭する君主たちも、地方ごとの有力名士という後ろ盾なしに覇業を進めることは難しかった…。そこで君主に求められたのは、地方の財政的基盤を動かし儒教的な教養に長けているとの名声が高い名士たちと、戦闘集団である武人たちとをとりまとめる調停型リーダーの資質だったにちがいない。魏呉蜀の三国はそれぞれにその内政的バランスの上に成り立っていたのだ。

たとえば魏の曹操の右腕・猛将夏侯惇は確かな政治感覚をもち儒教を学ぶことに熱心だったし、呉の参謀・魯粛は確かな分析力でリアルな天下三分の計を説く優れた戦略家であり、同じく名士の誉れ高い周瑜との友情に結ばれていた。古代中国の氏族社会の成り立ちを考えると、地方豪族の精神的支柱となった名士たちの影響力は大きい。彼らは儒教に秀で、教養・文化の担い手として名声を得て、豪族層を束ねる政治的手腕をもっていた。参謀的な存在として、君主とわたり合い、武人たちを差配する力をもった名士層が三国時代を動かしていたのだ。諸葛孔明しかり、荀彧しかり、周瑜しかり。曹操も孫権も劉備も、名士なしには戦えなかった!!

夏侯惇・郭嘉・張遼・司馬懿・関羽・張飛・趙雲・馬謖・費?・姜維・魯粛・呂蒙・陸遜・黄蓋・陸抗・羊?など英雄たちの豊富なエピソードをたどりつつ、覇権をめぐり、しのぎを削る君主たちの実像に迫る。