世界デフレで甦る日本

長谷川慶太郎著（ハセガワ ケイタロウ）

「デフレ不況」に苦しむ日本。それがなぜ、「世界的なデフレ」でこの国に追い風が吹くと言うのか？　著者は、「20世紀のインフレは、大戦争がひき起こしたものと言えます。テロや紛争は頻発しても、大戦争の可能性が少ない21世紀は、世界的なデフレ基調にならざるをえない」と主張する。この事実を踏まえる限り、デフレの長期化、世界的な規模での定着は不可避であり、本書は、この事実を解明する目的で刊行されたものである。逆説的な書名ではあるが、世界的なデフレになるほど日本の陽がまた昇る理由が、歴史的事実や政治経済分野における独自の分析をもとに説明されている。これまでの常識を根底からくつがえす、著者渾身の「日本経済復活」論である。