「週刊小説2001年6/22号」書影

週刊小説2001年6/22号

実業之日本社 (ジツギョウノニホンシャ )

A5判

2001年06月08日発売

価格 503円(税込)

雑誌コード 20234-0622-01

在庫なし

本好きのための小説&文芸情報誌

特集は「“父との絆”はどこに?」というテーマで、現在そしてこれからの家族のあり方を考える。父権の喪失と復権、そして父性を再考する動きが若い世代から起こっているが、現実にはドメスティック・バイオレンスや幼児虐待など悲惨な事件が新聞の社会面をにぎわせている。そこで、小説の世界ではこれからの家族や父親のあり方についてどう描かれているのかを紹介し、考えるヒントにしたい。作家のエッセイとして、岩井志麻子、五條瑛、佐藤賢一、原田宗典が登場。自分にとって“父”とは何かを綴る。現在進行形の家族と、そのドラマを追いかけた評論や、ブックレビューもあって、父の日の読書ガイドにもってこい。また読み切り短編でも、内海隆一郎の「父の恋人」と、姉小路祐の「臨終結婚」の二作は“家族の絆”が主題の力作。ほかに、津原泰水が灼熱の地獄絵図を描くホラー「続々羅刹国」、太田忠司のミステリーで探偵藤森涼子ものの「高台の家」(前編)が見逃せない。
強力連載陣では、菊地秀行のスーパー伝奇アクション「ブルー・ランナー」がついに最終回」西村京太郎の「松本美ヶ原殺意の旅」は十津川警部が長野県警と協力、事件の謎に迫る。童門冬二の「危機克服の名将武田信玄」では晴信の治世の第一歩を描く。好評の読み物&エッセイでは赤瀬川原平・北杜夫・泉麻人・川本三郎・林望・酒井順子らの軽快な文章が楽しい。