「週刊小説2001年7/13号」書影

週刊小説2001年7/13号

実業之日本社 (ジツギョウノニホンシャ )

A5判

2001年06月22日発売

価格 503円(税込)

雑誌コード 20232-0713-01

在庫なし

本好きのための小説&文芸情報誌

特集は「私を変えるエッセイ講座」。自己表現の文章術を磨き、より深く自分自身を見つめ直そうというのがテーマ。何をどう書くかは、それぞれそのときどきの関心事によるだろうが、自分の身辺に題材をとってエッセイとして書いてみることは心のゆとりにつながるし、日常を捉え直すことで新しい発見ができるとしたら、これは楽しい。そのための文章術入門が、轡田隆史「エッセイは遊びごころ」であり、岸本葉子の「講座案内 カルチャーセンターでネタを出す」だ。いま注目のエッセイストや、文章読本・文章講座に関するコラム・情報と併せて、「ちょっと書いてみようかな」という人にぜひおすすめ。
読み切り短編は、時代小説として、伴野朗の力作、中国謀臣列伝「山椒は小粒でも…」と、南原幹雄が織田信長を撃いた男善住坊を描く「似顔絵」、大久保智弘が御庭番宰領の活躍を活写する「秘路」。ミステリーは、鈴木輝一郎が主婦のメル友交際を描く「やめないで栓をぬいて」と、太田忠司の探偵藤森涼子シリーズの新展開「高台の家」。サラリーマンが老舗旅館でセックスに浸る山口香の官能もの「山里の天女」。新連載として、直木賞作家中村彰彦が名老中松平信綱の生涯を描く「知恵伊豆に聞け」がスタート。徳川家光、綱吉に仕えた天才の魅力に迫る。同じく時代長編の童門冬二「危機克服の名将武田信玄」と、西村京太郎のトラベルミステリーで十津川警部が難事件に挑む「松本美ヶ原殺意の旅」も面白い。北杜夫・川本三郎・赤瀬川原平・泉麻人・林望・酒井順子らのエッセイなど、どこから読んでも楽しい。